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PDPに関する特許についてのご説明(その2)

こんにちは、どうも今週で高校生は試験期間が終了するようで
電車は生徒があふれかえっております。
来週からはまた昼間の電車が混雑する時期になるのでしょうか。
個人的にイライラする季節であります。

さて、特許の内容につきまして前回さわりだけお伝えしていましたので
今回は具体的な内容について少しずつ触れていきたいと思います。

今回の権利化した特許は、そもそもがプラズマディスプレイという
放電を用いた発光装置の省エネに寄与する、根本的な技術です。
ソフトウェア的に効率を制御することが可能であればよいのですが
なにぶん放電というものをソフトウェアで逐一コントロールするには
センサを山ほど用意していかなければならないので現実的ではありません。

そこで、今回の駆動波形が出てくることになるのですが
その前に従前の駆動波形がどのようなものであるかという所から
ご説明させていただきたいと思います。
そもそもプラズマディスプレイは一画素あたりRGBの三セル分
放電領域を形成、それぞれに蛍光体が塗布されている下図のような形状となっています。

図 MNU-0002-2 プラズマディスプレイの一画素分セル構造

こんな構造になっていて、RGBのそれぞれのセル幅を合計すると
セルの高さになるように設定しており、結果として
一画素は正方形の画素ピッチとなります。

さて、このセルは上面側にある表示電極・スキャン電極、
ならびに底面側にあるアドレス電極で放電を制御しています。
前回お見せした駆動波形は上面側の表示電極とスキャン電極に印加する
電圧波形をお示ししたものです。
上図をご覧いただければおわかりになるかと思いますが、
表示電極とスキャン電極だけで放電セルをコントロールできないこととなります。
全てのセルに対して(上図で言うところのRGB)電圧が同じようにかかりますので
全てが放電するか、放電しないかになってしまいます。
そこで、底面側のアドレス電極がコントロールの電極と言うことになります。

プラズマディスプレイでは、このアドレス電極を用いた放電セルの
コントロールをするためにアドレス期間というものを時間軸で持っています。
テレビは静止画を秒間60コマ(インターレーススキャン)で走査していますので
一画像あたりに用いることができる時間は16.7ms ( =1/60sec ) ということになります。
その時間軸の中で、上記アドレス期間と前回お見せした放電維持(サステイン)期間
の両方を内包してはじめて駆動できるようになります。

では、アドレス期間とサステイン期間はそれぞれどの程度のウエイトと
なっているかと申しますと、ディスプレイにもよりますがアドレス期間の
方がサステイン期間よりも長い時間をとっていることが多いです。
とすると、時間軸だけで判断すればアドレス期間の放電を省電力化することが
消費電力低減に結びつくように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが
実際のところ、アドレス期間は一セルずつ放電の可否を判断するものですので
パネル全体として放電するのは期間中最大で一度しかないことになります。
と考えれば、一概に時間が長いからといって
消費電力にメインで関わっているとは言えないことになります。

さて、そのようなわけでこれ以上話すと長くなってしまいますので
実際の所、サステイン期間での放電電流量、並びに消費電力を低減することが
プラズマディスプレイでは省電力化に最も寄与すると言うことになります。
そのようなわけで、今回の権利化した特許ではサステイン期間に印加する波形を
新しく考案したものです。

サステイン波形における従前の駆動波形について
今回の内容が長くなってしまいましたので次回にしたいと思います。
では、また。

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